Pic by Yamaguchi Hiroshi
(Shibuya, Tokyo)

TOKYO CITY MAN (1997)


TOKYO CITY MAN

ここに君の居場所なんかない
いつまで待っても誰も応えてはくれない
答なんか風の中にはない
ここに君の居場所なんかない

熱くならない魂を見つけるために
この世に生まれてきたわけじゃない

TOKYO CITY MAN 居場所なんかない
TOKYO CITY MAN 居場所なんかない

君が叫ぶのを聞いたことがない
君が笑うのを見た奴もいない
心を覗いても何も見当たらない
ここに君の居場所なんかない

熱くならない魂を見つけるために
沢山の義務を果たしてきたわけじゃない

TOKYO CITY MAN 居場所なんかない
TOKYO CITY MAN 居場所なんかない

君の夜明けに 君の歌に 君の世界に 君の時代に
君の丘の上に 君の心に 君の輝いた日々の上に

地平線を越えていこう
夜明けの空に三日月が笑ってる
はるかに君を越えていこう
きっとこの街のカラスのように自由だ

熱くならない魂なんかない
僕は君に話しかけてみたい

TOKYO CITY MAN 居場所なんかない
TOKYO CITY MAN 居場所なんかない
TOKYO CITY MAN 居場所なんかない
TOKYO CITY MAN 居場所なんか要らない


TOKYO CITY DIARY

気になる隣人、不気味な隣人、銀行に日本人、公園にイラン人
政治家、悪魔、生贄、バーテン、ジャーナリスト、学者、フーテンにホームレス
左翼のおかまはトレンドウォッチャー、分析できない茶髪の娘
サーフィン仲間の神父と神主、全ての教祖に気をつけろ ワォ!

命に保険、火事にも保険、新型の犬はもう動けん
新しいマイカー、新しいマイホーム、オフィスラヴで浮気を一度
とにかく時代に乗り遅れるな、スポーツクラブで身体を鍛え
計算高く、技術を生かし、たまには寄付も忘れるな 日本人

背中を曲げ、根性を曲げ、とにかく何でも受け入れろ
もっといい街を、もっといい時代を、もっといい愛を、もっといい運を
そんなものはありやしないし、誰ひとり探すも止めやしない
うまく企て、技術を生かし、とにかく何とか受け入れろ

気をつけな 忘れるな
計算高く、技術を生かし、とにかく何とか生き延びろ

リムジンに貴婦人、リヤカーに詩人、始めが肝心、全く理不尽
橋のない河、河のない橋、評価しないし、非難しない
気になる上司はいつもの調子、何ひとつ変わりやしない
マニュアル通りに街を歩け とにかく何とか生き延びろ ワォ!

テレビは自粛、ラジオも自粛、雑誌も自粛、歌さえ自粛
臭けりゃ自粛、やばけりゃ自粛、臭いものには蓋するにかぎる

(  )なんてとんでもない (  )なんてとんでもない
計算高く、技術を生かし、とにかく何とか生き延びろ 日本人

俺は近視で、奴は遠視で、彼は乱視で老眼なんだ
情報のハイウェイ、燃え尽きたマイウェイ、俺に期待しないでくれ
俺は生まれかわらない、 誰も生まれかわれない
計算高く、技術を生かし、とにかく何とか生き延びろ

気をつけな 忘れるな
うまく企てあ、技術を生かし、とにかく何とか生き延びろ

気をつけな 忘れるな
計算高く、技術を生かし、とにかく何とか生き延びろ

日本人!


ミスターソングライター

拝啓 ミスターソングライター
あんたのメッセージを受け取った
開拓者としてのそのプライドに
敬意を込めて礼を云うよ

あんたはカミソリの刃の上を歩きながら
ムササビのように世の中を渡ってゆく
しなやかでそしてしたたかで
カミナリのようにわがままだ

今日まで俺はこの毎日をすり潰したような
挽き肉のカレーライスを食いながら
ヘドロのような汗をかき
岩のように眠ってたんだ

ヘィ ミスターソングライター
ロープの上を歩くのはどんな気分だ
俺はこの何でもない晴れた日々に
何故か殺気立って仕方ないんだ

けれど ユー ユー ユー
外は雨
けれど ユー ユー ユー 
外は雨

ロックンロールは土曜の夜だけのものじゃない
間違っても日曜の朝のためのものでもない
勝者をおだてるものでも 敗者の傷を癒すものでもなく
ただこの毎日のためのサウンドトラック

けれど一晩じゃ伝えきれない喜びと
笑ってしまうような哀しみを
両方びっしり詰め込んだリボルバーに
今日もこめかみを撃ち抜かれてる

鏡の中で逆さまの俺が笑ってる
借りもののライオンが自分に向かって吠えてるみたいだ
あぁ人生をヴィデオテープみたいに巻き戻したい
あぁ毎日をコンピューターみたいにリセットしてみたい

けれど俺はどうせまた同じヘマをやらかし
同じ奴を愛し 同じ奴を憎み
同じラベルの酒を飲み
同じ怒りでテーブルを叩き割るだろう

けれど ルー ルー ルー
外は雨
けれど ルー ルー ルー  
外は雨

30以上の奴は信用するな
若い頃にはそう云ってた
でも教えてくれよ
50になったらどうすればいい

来るものは拒めず 去るものだって追えやしないが
俺は冷凍された魚じゃないんだ
本屋にゃハゥトゥー本が溢れているが
それ読みゃ他人にでもなれるのかい

けれど ユー ユー ユー
外は雨
けれど ユー ユー ユー 
外は雨

この国のラジオからは何でも流れてくるんだ
おとといは化粧のしすぎで死んだババアの死体
昨日流れてきた美人の死体はもう腐りはじめていましてね
美人も死んでしまうと
吐き気を催すようなただの物体にしかならない
人生ってはかないものですねぇ

ヘィ ミスターソングライター
ヘィ ミスターソングライター
ヘィ ミスターソングライター

新しい息をして 新しい歌を書こうじゃないか
武器にも薬にもなる言葉を探そうじゃないか
あのどうしようもない糞ったれどもに
本物の苦痛をプレゼントしてやろうじゃないか

ヘィ ミスターソングライター
いつか笑いと想像力が風になり
この世を吹き抜けるのが見たい
それがあんたや俺を動かしてるのなら
やりたいことをやるだけさ

けれど ルー ルー ルー 
外は雨
けれど ルー ルー ルー  
外は雨

拝啓 ミスターソングライター
イカしてるのか イカれてるのか
俺に言葉の雨が降る
敬意を込めて礼を云うよ

電話よりも手紙をくれ 来年また会おう


TOKYO CITY HIERARCHY

トーキョーシティー ヒエラルキー 名乗らないのが彼等のルール
誰も過去を語らない 今日に生きるのが彼等のルール
でも空が好き 話すことが好き 焼き立てのパンの匂いが好き
ビルの谷間に沈みゆく夕陽に
「独りじゃないさ」と路上の天使はそっと囁きかける

トーキョーシティー ヒエラルキー 笑わないのが彼等のルール
いつものオフィスにジョークがあるとしても 金を産むためのひとつのツール
での彼は娘が好き 我が娘の寝顔が好き モミジのような掌が好き
家具の谷間に身を横たえて
「これでいいのさ」と多忙な天使は天井につぶやきかける

トーキョーシティー ヒエラルキー 自分を探すのが彼等のルール
けれど何ひとつ見つかりやしない それが世の中のいつものルール
でもあの娘が好き たまらなく好き かよわく美しい二の腕が好き
長い髪をかき上げながら
「何とかなるさ」と未熟な天使は彼女に囁きかける
チュ チュル チュル チュル チュ チュ

トーキョーシティー ヒエラルキー 静かに生きるのが彼女のルール
帰りを待つ連れ合いはもうこの世にはいない 期待しないのが彼女のルール
でも散歩が好き この街に咲く花が好き 日々の匂いにときめくのが好き
夕暮れ時に小さな灯りをともし
「もうすぐまた会えるから」と寂しげな天使はそっと囁きかける

トーキョーシティー ヒエラルキー 賭け続けるのが彼等のルール
道のひとつは明日へと続き もうひとつは墓場へ堕ちてゆくレール
でもこの瞬間が好き この興奮が好き 高なる心臓の鼓動が好き
ポケットの中で汗ばんだ手を握りしめ
「今度こそは」と不運な天使は空に囁きかける

トーキョーシティー ヒエラルキー この街はムンクの手の中にある
誰かが叫び 何処かで渦巻き とてもいとおしく 何故か美しい
そして醜い あまりに醜い 醜いけれど何故か美しい
今日もどこかで 沢山の天使達は夜のトーキョーにそっと囁きかけている
チュ チュル チュル チュル チュ チュ


ハピネス

そびえ立つビルの窓に
静かに灯りが灯ってゆく
オゥ サッドネス
街中でいちばんダメな男

ささやかなる仕事も果たせず
靴のかかとだけはすり減らし
オゥ ダークネス
32度目の冬が来る

ハピネス 君に会いたい
ハピネス 空を見上げる

同じ過ちを繰り返し
心安らぐ夜はない
オゥ サッドネス
何ひとつ学ばない男

この日々を吹き飛ばす風は吹かず
このベットに抱きしめる愛はない
オゥ マッドネス
空に輝く金色の星

ハピネス 君に会いたい
ハピネス 空を見上げる

俺には勇気のかけらもない
夜中に胸を掻きむしられ
乾いた大粒の涙を流しながら
いつまでもきっとしがみつくだけさ
このハピネス

ハピネス 君に会いたい
ハピネス 空を見上げる
ハピネス 君に会いたい
ハピネス 空を見上げる


BOHEMIAN BLUE

振り向きもせずに 君は闇を駆け抜ける
ひとみの中に 苛立ちをしのばせながら
たった一度死ぬだけさ
いつまでも生き残るのさ
想いはいつも雲の上を歩いてゆくのさ

約束もない 見返りもない
知恵のない勇気なら君は要らない

哀しみを吹きとばし 憎しみを笑い飛ばし
雨を凌いだのなら もう一度立ち上がるのさ
退屈に怒りを 今日の道に光を
すべてはこれからさ
ハレルヤ ボヘミアンブルー

振り向きもせずに 君は日々を駆け抜ける
ひとみの中に 輝きをしのばせながら
もう若くはないさ けれど君はまた立ち上がる
身軽な体ひとつ 闇の中を駆け抜けてゆけ

約束もない 見返りもない
知恵のない勇気なら君は要らない

哀しみを吹きとばし この日々を笑い飛ばし
雨を凌いだのなら 何度でも立ち上がるのさ
退屈に怒りを 今日の道に光を
すべてはこれからさ
ハレルヤ ボヘミアンブルー

約束もない 見返りもない
勇気のない知恵なら俺は要らない

哀しみを吹きとばし この日々を笑い飛ばし
雨をしのいだのなら 何度でも君は立ち上がるxのさ
退屈に怒りを 今日の道に光を
すべてはこれからさ
ハレルヤ ボヘミアンブルー


OLD MAN

あんたはこの世でいちばん
世渡りが下手な男
一生賭けたあんたの仕事が
陽の目を見たことはない

せっかくの大物の才能も
シャイな性格でいつも大なしだ
時代に抗い 踏みつぶされて
前立腺だけはビックになった
しがないのオールドマン
うるわしのオールドマン

この世で親父の次に
世渡りが下手な息子
120キロのストレート
それだけが取り柄のバカ息子

役に立たない才能だけは
何故か受け継ぐものなのさ
抜毛、酒飲み、女好き
借金だけはビックになってゆく
しがないヤングマン
役立たずのヤングマン

あんたは自分を持てあまし
アルコールみたいに揮発した
そして棺桶の中ではじめて
天使みたいにゆっくり眠りこけていた
うるわしのオールドマン

ヘナヘナでペラペラのプライドでも
ないよりはマシだと思っている
あんたと一杯やれなかった
それだけが唯一の心残り

けれど夜の屋上に昇り
この四角い空を見上げてる
俺に流れる血は本物なのか
それだけを確かめてみたいのさ

しがないオールドマン
オールドマン


雨の後、路は輝く

朝の光が眩しすぎるのなら
気がすむまで眼を閉じていればいい
窓に夕暮れ あまりにきれいだったのなら
歯を磨き 街へ出かけてゆけばいい

この雨の後、路は輝き
新しい茨の道がまたよみがえる

「今日は何日だ?」と君が聞くから
「今日は毎日だ!」と俺は応えた
いい加減な性格 自分に腹を立てながら
いい加減な毎日にだって憧れている

この雨の後、路は輝き
新しい茨の道がまたよみがえる

雨が降る日には濡れるだけさ
晴れた日には乾かすだけさ
曇りの日には本を読むだけさ
嵐の日には酒を飲むだけさ

こうして静かに世界を見つめ
迷わずに夜をやり過ごす
心に吹く風 すべて混じり会うところ
友達よ 俺はそこにいる

この雨の後、路は輝き
新しい茨の道がまたよみがえる
この雨の後、路は輝き
新しい茨の道がまたよみがえる


愚か者の舟

街に今日も雨が降る
また俺は全てを見失った
踏みしめてきた日々さえも
空に漂っていた憧れも

何故ここに生まれたのだろう
何故濡れながら燃えているのだろう
何故に立ち尽くすだけなのだろう
何故に耐え忍ぶだけなのだろう

いくら問いかけても
自分ひとり分からないから
理由のない怒り
空しさをかき集め
こんな嵐の中でも
愚か者の舟に乗る

このどしゃ降りの雨に打たれ
また君の姿を見失った
出会えた時の喜びも
ここに君がいない哀しみも

今夜誰が生まれるのだろう
誰が今夜消えてゆくのだろう
さようなら 美しきひとよ
俺はもう戻ることはない

いくらたぐりよせても
君ひとり愛せないから
理由のない怒り
空しさをかき集め
こんな嵐の中でも
愚か者の舟に乗る

いくら叫び続けても
いつかはひとりきりさ
抱きしめる程すべてが遠くなってゆく
理由のない怒り
空しさをかき集め何度でも繰り返し
愚か者の舟に乗る


不屈の星のハートビート

身を切るような寒さの中 俺は街角で震えてた
ポケットの中はカラッポでも 頭はギラギラに冴えてた

君は何処からか現われて 俺にチャンスを与えてこう云った
「考える前に踊りなさい」 
「面倒なことはまとめて腰を揺らせてかんがえるのも意外といいものよ」

イェ イェー ありがとう君のハートビート
イェ イェー 君は不屈の星のハートビート
イェ イェー 君の門出に俺のハートビート
いつかどこかの街でまた会おう

俺はやがて街を出て 今あてのない日々に暮らしてる
いったい何処から来たんだろう ふとそれすら忘れることもある

君は今、街を出て行く どこか遠くへ旅立っってゆく
俺に云えるのはたったひとつ
「面倒なことはまとめて腰を揺らせて考えるのが一番でしたよ」

イェ イェー ありがとう君のハートビート
イェ イェー 君は不屈の腰のハートビート
イェ イェー 君の門出に俺のハートビート
いつかどこかの街でまた会おう

俺はいつも叫んでる 君はいつも笑ってる きっとそれは間違いじゃない
俺は踊り続けてる 君は笑い続けてる きっとそれはそれで間違いなんかじゃない

難しいことなんか 実はとても簡単だった
新しい風に吹かれ やりたいことをやるだけさ
気の効いた言葉なんて あいにく俺の辞書にはないけど
ありがとう君のハートビート 俺はロックンロールを死ぬほど愛してる

イェ イェー ありがとう君のハートビート
イェ イェー 君は不屈の腰のハートビート
イェ イェー 君の門出に俺のハートビート
いつかどこかの街でまた会おう
いつかどこかの頂きでまた会おう

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